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1994年、オーストリアのウィーンでメゴが誕生した。中心人物はピーター・レーバーグ。設立以来、常に新しいタイプのサウンドを模索し続けてきた意欲的なレーベルだ。テクノの範疇を超え、いや、音楽の範疇をも超え、コンピューターサイエンスやアートにまで食指を伸ばし、完全に独自のカルチャーを確立している。残念な事にこのインタビューで話をしているレーモン・バウアーは音楽シーンから離れてしまったようだが……。しかし他の2人、ピーターとフェネスは、今もなお第一線で活躍し続けている。そしてエレクトロニカも電子音響も消えることなく存在し続けている。ちなみにMegoは2004年に EditionsMegoにリニューアルし、現在はピーター・レーバーグ1人によって運営されている。勿論、今も電子音響を語る上では外せないレーベルである。このインタビューは今から13年前、1998年の7月に行われたものだ。
※著作権について:記事を書いた本人、Carlos Pozoから翻訳記事の掲載の許可を頂いております。Tobias Fischerと、haus.0 / M.Muratから画像の使用の許可を頂いております。
Original Script link: here
あなた方の音楽は、エレクトロアコースティックやミニマルの要素を取り入れて、最近のテクノと組み合わせたものですが、この展開は意図していたのですか?
ピタ:いいや。(笑) どうだろうね。ただ試してみただけだよ。俺たちは全員、音楽の世界での専門的なバックグラウンドを持っているわけではない。つまり単なる一般人ってヤツだ。エレクトロアコースティックの存在はソフトウェアによる部分が大きいと思うよ。あと、サウンドに対してはオープンな気持ちでいて、サンプルの使用を非常に重要視している。そういった部分が音楽を少々理論的なものに見せているんじゃないかな。理論的であることに興味はあるけど、あらかじめ考えてはいない。コンセプトはあるが。
あらかじめ考えるって部分はないという事は、感情にまかせているという事ですか?
フェネス:そうだね。
例えば、Aubeというアーティストは自分の周りにある全てをサウンドと結びつけます。音楽という言葉は、彼の中では存在していないのです。工業デザインを設計するように、音楽を“組み立てる”というか……。そういうのともちょっと違いますか。
フェネス:そういう事ではないな。
バウアー:音楽は音楽って認めているわけだし。
フェネス:だな。いろんな音楽に興味を持って、それらを混ぜてみた結果、ってところじゃないかな。
ピタ:俺達のパワーブックにはたくさんの種類のサンプルが詰まっていてね。その時の場所と、その時の自分の感情次第で鳴らすことが出来る。クラシックなサンプルが飛び出す事だってあるさ。テクノのエネルギッシュなビートが飛び出すこともね。全てがクールさ。サウンドをどう料理するのかは俺たちの勝手なわけだし。
バウアー:セットリストってガッチリ決まっている訳じゃないからね。その町その町でセットリストを決めるが出来るんだ。「この場所は、なるほど、こんな感じか。じゃあ今夜はこんな感じかな」、なんてね。マジの話だよ。
とはいえ、構成というものも存在しているんですよね?
ピタ:ああ。
セットの中にきっかけが仕込んであるように見えますが。
バウアー:その通り。純粋な即興ではないよ。
ピタ:最初と真ん中と、終わりにきっかけがある。きっかけの中にきっかけがあって、きっかけの……。
バウアー:これって……、一緒にプレイをする時は、ある特定のポイントをお互い探し出す。そして、お互いまたバラバラにプレイして、その後また特定のポイントで一緒にプレイする。そんな感じだよ。
昨日のライブについて感想をお聞かせ下さい。
ピタ:エクセレント。というのも、以前(ドイツの)ロストクで船上ライブをやったときは全く楽しめなかった,からね。でも、昨日の船上ライブはロストクの時とは完全に違った雰囲気だった。実に興味深い状況だったよ。
昔の作曲家からアイデアを拝借したりしますか? 昨夜のライブは少しの間ワグナーっぽい部分もありましたが。
ピタ:ああ、昨晩のライブはそうだな。俺とレーモン(バウアー)がアムステルダムのHolland Festivalでプレイした時、5枚組のCDボックスセットをもらってね。それは、Holland Festivalの過去50年のクラシックと現代音楽の演奏を収録したものだった。ワグナーのアイデアは2枚目から拝借したんだ。まぁなんというか……。
バウアー:……たまたまってヤツだよ。(笑)
ピタ:そう。偶然だ。でもやらなくちゃいけない使命でもあった。だからサンプルをアサインしまくったんだ。
メゴのゴールというものは設定してあるのでしょうか? 今後どう展開させていくつもりですか?
ピタ:自分が気に入ったミュージシャンの音楽をリリースしていく。それだけだな。退屈なものがないとは限らないが……。
バウアー:思いっきりオープンな状態でいるわけだしね。これから先50年間も従わなくちゃいけない音楽的制約なんてものはないさ。今後のことはあくまでも俺たち次第だ。
ピタ:メゴに送られてくるデモテープって、グリッチノイズとかそんな類のものでね。皆、「この音源はメゴレーベルに最適だ」なんて言うんだが、俺たちに言わせれば「そんなのもうやっちまったよ」ってところなんだよな。
バウアー:ついこないだはあるフットボールチームのファンクラブのシングルをリリースしたよ。で、メゴの次のアルバムはさ、“聴く”というよりは“見る”ってヤツかな。
ピタ:あれ、とても低音が効いているよな。
バウアー:ネガティブなアイデアと、とてつもない“テクノロジー”で出来た作品でね。Fuckheadってパフォーマンスグループの事さ。過激なパフォーマー達なんだ。あと、クリスチャン(フェネス)が7インチの限定盤を出す予定だ。カヴァーが2曲入ってるヤツ。1つはRolling Stonesでもう一つはBeach Boys。……っていうか、原型を見つけることは出来るかな。
あなた方はメゴの音楽の方向性を真剣に考える一方で、ユーモアのセンスも持っていますよね。
ピタ:ああ、真面目に楽しんでいるんだ。
フェネス:重要なことだね。
例えば、Ovalは自身の音楽に対してとても厳粛で、格式を重んじているように思えます。しかし、あなたたちの場合はなんというか……。
ピタ:ポップス路線と伝統主義路線の間の微妙なラインを行き来しているよな。紙一重だよ。実際、アカデミックな分野にはとんでもなく堅くて、ユーモアのセンスが全くない人がたくさんいるんだよ。ユーモアはとても大事だと思うんだがね。特にブラックユーモア。イギリス人である俺はとんでもない皮肉屋なんだぜ。
バウアー:ピタのユーモアのセンスはオーストリアンジョークにそっくりだよ。
フェネス:俺も伝統主義路線とポップス路線の間の微妙なラインってヤツに興味津々だ。それって音楽に対してとても重要な事さ。俺はそう思うよ。
バウアー:ポップのジャンルに属したいわけでも、伝統主義者でありたいわけでもなくてさ、それらの中間に興味があるんだよね。
フェネス:両立は可能さ。
以前あなた方が言っていたように、たくさんのレーベルがメゴに続いて出てきています。それらの新興レーベルと提携してやっていこうとは思っていますか? 例えば、A-musikやMille Plateux、あとTouchとか。
ピタ:Touch はパートナーだよ。A-musikはメゴと同時期に出来たレーベルだ。目指している方向が似ているんだ。A-musikって小さい流通網の中でメールオーダーシステムを使って展開していてね。俺たちも似たようなやり方でやってるし、つながりがある。あと、オランダのStaalplaatとも日本の大阪にあるDigiともつながっている。そこらじゅうにつながりはある。皆、基本的にビジョンは同じだが、全部が全部同じという事ではないさ。当然出てくるものは違ってくるよ。じゃないと退屈だしね。あと、Mille Plateuxとはつながりが全くない。だからイラつく事もないね。(笑)
メゴはコンピューターサイエンスの最先端技術と、音楽と芸術を結びつけようとしているように思えますね。
ピタ:お互いの嗜好が違うし、バックグラウンドも異なるからね。俺はDJ上がりで、レコードの売ったり、集めたりなんかをやっていた。ティナ(フランク)はグラフィック・デザイナーでヴィジュアルの分野に興味を持っている。レーモンはミュージシャンでもあるが、経営の事にも興味を持っていて、ベルリンに住んでいるアンディ(ピーパー)はプログラマーだ。そういった全員のバックグラウンドが結びついて出来たレーベルさ。
あなた方全員がソロ活動も行っていますね。ソロ活動と他のミュージシャンとのコラボレート活動の違いを教えて下さい。
フェネス:俺の場合は……、ソロ活動というのはCDをリリースするって事かな。ライブでの即興も、ピタやジム・オルーク、レーモンとやるときほど多くはない。
ピタ:最高だった。
全て即興だったのですか?
フェネス:最終的には少しだけ変わったかな。
ピタ:10 日間で10回のショーだったんだが、全部即興だったよ。でも、5回目のライブあたりで気づいたんだ。このサンプルを鳴らすと、彼はこのサンプルを鳴らすとか、そういったことにね。だから“お約束”になったパートもある。まぁ.計画されていたことではないし、打ち合わせもしていないし、リハーサルもしていないけど。自然な流れでそうなったんだよ。
フェネス:どうするべきかって事を最終的に理解したんだよね。例えば、ピタがマドンナのサンプルを出してきたら、俺はこうしてみる……。
ピタ:……そうするとジムはジェームス・ボンドのサンプルを出してくるってね。(笑) 本当に楽しかった……。
バウアー:かなり“理論的”だ(笑)。
他にも計画している事はありますか?
フェネス:ああ、9月に別のツアーを予定している。オーストリア、スイス、それとイタリアだ。その時のライブをCD化してリリースする予定さ。どのライブもMDで録音しているんでね。
ピタ:聴いてふるいにかける必要があるが……。
フェネス:あと編集も。
どういったやり方で曲を作るのですか?
バウアー:まず、基本となるアイデアがあって、流れに任せて進んでみる。そうやって進めると、多くのアイデアが生まれたりハプニングが起きたりするんだ。これは個人的なやり方だけどね。勿論、基本となるアイデアから仕上げまで進めなくちゃいけないなんて事もない。だからこそ、いろいろなハプニングが起きる可能性があるんだ。完全に違う方向に進んじゃうことだってあるかもしれないしね。
ピタ:失敗って方向に進むこともね。
バウアー:ああ。ミスも大好きさ。(笑)
ピタ:悪い方向に進んでも、そのやり方を捨てるって事はしないな。古いサンプルの殆どは壊れていたり、まともに鳴らなかったりするけど、それはそれで面白い。コンピューターミュージックってヤツは、クリーンで、プログラムされていて、正確だからな。ちょっと汚い部分があるとクールになるんだよ。
冷蔵庫の音をレコーディングするというアイデアを思いついたのは誰ですか?
ピタ:俺。
バウアー:出来そうだからやってみろってピタに言ったんだ。そしたら本当に始めちゃってね(笑)。
ピタ:あれは友人のブルース・ギルバートも交えての飲みの席での会話だった。俺たちはたまにパブで長い議論を交わすときがある。そういうときに思いつくんだよ。全部が全部実現可能なアイデアではないが。でも冷蔵庫の音ってのはピンときた。生活に密着した音だしな。多くのアーティストは妄想の中で生きていて、現実世界に目を向けていない。冷蔵庫はサウンドになり得るさ。なぜ誰も使わないのだろうか?
町をぶらぶら歩いて、その時聞こえてきた音が興味深い音だったらレコーディングしてみる。そんな感じですか?
バウアー:サウンドってどれも環境音みたいなもんだからなぁ。「General Magic」で鳴っているサウンドだって、日常生活の中で聞くことが出来るものばかりだよ。ラジオを聴いている時、何か面白いサウンドが流れてきたら、それを拝借していろいろ試してアウトプットしたりもするしね。自動車の衝突の音からだって作ることは可能だよ。面白いじゃん。
再びAubeの話になりますが、Aubeは作曲と、自分自身の感情を完全に切り離していますね。音楽そのものに夢中になっている私には信じがたい事です。曲を作るときは、気持ちが入りますか?
フェネス:ああ。俺は自分の事しか言えないけど、感情に従うって事には物凄く大切な事だよ。自分の音楽から感情を切り離すなんて事はしたくないね。
ピタ:それって日本人とヨーロッパ人の違いがそうさせるんじゃないかなぁ。アプローチが違うというかさ。
ヨーロッパの人々はOvalと同じ道を歩むといったところでしょうかね?
ピタ:うーん、ヤツはドイツ人だろ。(笑) ドイツ人ってのは感情に流されることがないからなぁ。というか、感情ってもんがないんだよな。(笑)
フェネス:何も感情的で大げさであるってことを意味しているわけじゃない。ただ単に作曲に夢中になって音楽というものを楽しむって事だ。
ウィンドウズですか? それともマックですか?
バウアー:マックだよ。
フェネス:マック。
ピタ:俺も。
バウアー:ウィンドウズは他の作業のためだね。コミュニケーションや雑用とかね。クリエイティブでありたいのならマックだよ。ヴィジュアル、グラフィック、音楽。マックで決まりだね。
フェネス:ここ2年でウィンドウズも良くはなったけど。音楽用のソフトウェアも良いものがあるし。とはいえ、マックの方が使い勝手が良いけどね。
バウアー:そのウィンドウズの良いソフトっていじれないヤツだろ。俺たちが求めているのってオープンソフトウェアだからなぁ。オープンソフトウェアだと自分なりにいじれるんだ。ウィンドウズじゃあ現段階ではそれは無理だ。ベースラインマシンやヴォコーダーが使えないんじゃあね。
GUI上で使えるサウンドファイルを持っていますか? それは……
ピタ:変更がきくヤツさ。
フェネス:サンプラーみたいなものだよ。だからリアルタイムでパラメーターを変更できる。
ピタ:もう一つの機材って感じだよな。画面上にフェーダーやスイッチがあって、コントロールが可能なんだ。今って、そうやってコンパクトに1つにまとめられる。以前だったらシンセサイザーがたくさん積み重なっていたかもしれないな。
なるほど、もう何も加える必要はないんじゃないでしょうか?
ピタ:(The History of Fylkingenを指さしながら)この本が欲しい。(笑)
フェネス:俺はFylkingenでプレイしたいよ。(笑)
Fennesz 公式サイト
Fennesz myspace
http://www.myspace.com/fennesz
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Peter Rehberg Myspace
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Editions Mego
angbase
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グレッグ・アンダーソン、1970年生まれ。Sunn O)))の核として、ステファン・オマリーのパートナーとして、そしてSouthern Lordレーベルの主宰者として第一線で活躍するアーティストだ。普段はステファンの影に隠れてしまっている印象が強いが、実はどのプロジェクトでも中心となってバンドの方向性の鍵を握っている。今回のインタビューでは、Goatsnake再結成について、Thorr’s Hammerについて、そしてSunn O)))について語っている。Sunn O)))でのローブ姿からは若干想像しにくいが、非常に饒舌である。(電話インタビュー)
※著作権について:記事を書いた本人、JJ Koczanから翻訳記事の掲載と画像の使用の許可を頂いております。
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Goatsnake再結成の経緯を教えて下さい。
Thorr’s Hammerっていうまた別のプロジェクトがあってね。Sunn O)))でも共に活動しているステファン・オマリーと最初に組んだバンドなんだが、去年の夏、イングランドのバーミンガムで行われているフェスティバル、Supersonic Festivalからこのバンドへの出演依頼の打診があった。とはいえ、ベースプレイヤーに関しては空白のままだったんだが。何せジェイムスとは10年かそこら喋ってないからな(笑)。で、その時頭にパッと浮かんだのがGoatsnakeのオリジナルメンバーでもあるガイだった。彼自身Thorr’s Hammerの大ファンだし、実はThorr’s HammerのアルバムをSouthern Loadからリリースする時も資金援助をしてくれてね。それでやってみてくれないかと頼んだんだ。彼はヨーロッパに住んでいたんで移動の面でもコストの面でもいくらかは楽になるし。おまけに凄まじく腕が立つ。それで彼はThorr’s Hammerでベースを弾くことになった。でさ、Supersonic FestivalではRoadburn Festivalのスタッフにバッタリ会ったんだ。彼らはそこらをブラブラしてる俺とガイを見かけて、「おい、Goatsnakeはどうなってんだ?」なんて聞いてきてね。その時の俺とガイの反応は「ああ、ま、まあな」って感じだった。けどさ、俺とガイはThorr’s Hammerで再び息の合った演奏が出来たわけだし、それにGoatsnakeって正式に解散したわけじゃないんだよな。確執があったわけでもないし、ただ単にメンバーそれぞれが忙しくなって長期の休止状態になっただけだ。それで俺とガイは再結成のアイデアを意識しはじめた。その後、他のオリジナルメンバー、ピート(vo)とグレッグ(dr)にこの話をしてみたら2人ともマジで興奮して、「また一緒にやろう」って言ってくれた。これが再結成までの経緯だ。俺は本当にRoadburn Festivalが好きだから、ヘッドライナーとして出演してくれって頼まれた事は誇りだよ。だからこのすばらしいチャンスを逃すなんて出来なかったし、Roadburn Festivalできちんとしたライブをやるために必死だった。
ライブはどうでした?
グレイト。それは予想を超えたものだった。良い音を出すために必死にリハーサルを繰り返したからな。全てのサウンドを可能な限りチェックしたし。とはいえ、ライブに最悪な出来事はつきものだ(笑)。目に見えない力が作用してしまうんだよ。アドレナリン、緊張、あと、これまでの経験による部分とか。それに、正直に言うとGoatsnakeはいわゆるライブバンドではない。リハーサルも決して十分とは言えなかったし、ライブではスタジオアルバムと同じクオリティは出せていないなって感じてもいた。以前もたくさんライブをやっていたわけじゃないし。こういったことが俺の脳裏から離れなかったんだよ。あくまでも俺個人の意見だが。他の奴らはまた違う考えだろう。結果を求めるあまり、マジで緊張していたんだ。でかい期待もあったし、このライブのために本当に楽しみに待っていてくれた人たちや、わざわざ遠くから見に来てくれた人たちがたくさんいたわけだし。あと、俺が心配だったのはライブ会場がクソでかかったって事だ。Goatsnakeではあんなでかい会場ではライブをやったことがなかった。1000人くらいの客の前でやったことはあるけどな。でもそれも1度きりだ。そう考えると、本当にうまくやったと思う。この結果には大満足だし、オーディエンスも完璧だった。
お客さんの反応には驚きましたか?
いいや、驚きはないね(笑)。でも感謝はしている。後になってから評価されているなんてクールなことさ。以前はテスト期間ってところだったんだろう。この手のジャンルで昔からやっていて全く評価されていないバンドはいるからな。でも、解散した後で突然でかい存在になるんだ。SleepでもKyussでもそういった現象は起きている。俺はこれを「Kyuss症候群」って呼んでいるよ。みんな、「もし50人も見に来てくれたらラッキーだよな」なんて言っていたんだぜ。誰にも相手にされていなかったんだ。しかし、解散した途端伝説になる。基本的に、ファンは何も持たない状態でいることを望んでいるんだな(笑)。でもバンドはもう存在しないもんだから、ファンはますます狂信的に、何かに取り憑かれたような状態になっちまった。Goatsnakeに関して言えば、そんなレベルではなかったよ。やったりやんなかったりを繰り返していたし。だからSleepやKyussみたいなファンに飢えさせるようなことはなかった。まぁでも似たようなもんだな。ファンは見たいと思ったときに見ることが出来ず、その結果どんどん虜になっていったわけだから。良いことさ。俺もまたファンのために仕事が出来るんでマジでエキサイトしているし。これまでの人生の中で夢中になって聴いた音楽はたくさんある。それらを10年、15年後に聴いたとしても同じようには聞こえないだろう。それでも80年代の音楽ってのは、俺にとっては今もなお、素晴らしいの一言に尽きる。Goatsnakeも誰かにとってそういう存在になれれば嬉しい。まぁそうなっているように見えるが。クールだよ。
Thorr’s HammerもGoatsnakeと同様にRoadburn Festivalでライブを行いましたが、2つの違いはどうでした?
あぁ、Thorr’s Hammerはとてもルーズで、ミニマルで、原始的だ。曲はどれも、ストレートなデス・メタルかメタルをやろうという、ステファンと俺の初めての試みの元に作られたものだし。それに、Thorr’s Hammerにはギターが2人いる。だから、どちらかがへましたとしても気付かれる事がない。で、Goatsnakeだが、こちらも相当シンプルに出来ている。だが、とても複雑な部分もある。この10年の間、俺はある特定の音楽に集中してきたんだ。Sunn O)))なんかでの活動は演奏に対するアプローチが完全に異なっているし、意識している部分も違う。だから、Goatsnakeで演奏するということは、もうスピード・メタルやそんなのを演奏するようなもんだったよ。全てがとんでもなく速く、忙しく、複雑だった。おまけに、演奏するために忘れずに覚えておかなくちゃならないパートや、決まった順序で、決まったタイミングで演奏しなくちゃならないパートもあった。マジでね。あと、他のメンバーとしっかりと合わせないとならないキメもあった。まぁSunn O)))がレアなケースなんだけどな。あのバンドはとてもフリーでインプロヴァイズが基本だ。それにステファンと俺との間に培われてきたケミストリーがある。だから、控えめに言ってもGoatsnakeはチャレンジってヤツだった(笑)。簡単じゃなかったよ。まぁそのチャレンジを本当に楽しんではいたけどな。ていうかさ、「おいマジかよ。これ、曲の体を成しているぞ。しかもドラム付きだ!」なんて感じだった。本当に楽しかった。
GoatsnakeとThorr’s Hammerとでは、個人的な想い入れというのはやはり違っていましたか?
大部分ではね。Thorr’s Hammerに関しては、あのバンドに対する俺の思い入れは半端じゃない。非常に深い意味のあるバンドだ。ステファンと一緒に演奏した最初のバンドだし、ヴォーカリストのランヒルドとも本当に今も仲が良いから。とても短い時間だったけど、間違いなくバンドとして存在していた。俺の人生において本当に幸せな時間だった。重要だったし、礎にもなっている。俺自身の音楽にとっても、レーベルにとっても、バンドを始めたときの勢いでここまできたんだ。ほとんどね。Goatsnakeもそうさ。Goatsnakeでの活動もやはりクールだ。Thorr’s Hammerとはまた違っていてね。というのも、シアトルに住んでいるとき俺はプレイヤーとして今とは違ったことをやっていたんだ。その時は、Engine Kidってヘヴィ・ミュージックバンドにいた。よりメロディーに重きを置いたバンドだったよ。それに、俺はそのバンドではヴォーカリストでもあった。完全に今とは違うスタイルだった。だから、Goatsnakeでプレイするために自分を変えることは本当にチャレンジだった。Engine Kidはヘヴィ・ロックだったわけだし、そのEngine Kidで唯一作曲をしていたのが俺だったから。それに、俺にはバックグラウンドがなかったし、他のバンドに参加した経験もなかったんだ。そこへきてGoatsnakeのリズム隊はThe Obsessedのヤツらだ。あのバンドは俺にとっての伝説のバンドだぜ。信じられるか? その中に入ってメンバーの1人として曲を作るという事に対してマジでビビッていたよ。とてもやりがいのある活動だったが(笑)。一緒に演奏してた時のことを思い出すよ。最高のものを一緒に本当に作りだしていた。音楽の方向性が同じ限り、俺はある意味中心的な位置にいたしな。
Flower of Diseaseの再発は、あくまでもRoadburn Festivalを意識したビジネスだったのでしょうか?
Flower of Diseaseは長らく廃盤になっていてね。たくさんの人から復刻してほしいってリクエストがあったんだよ。たくさんの楽曲が俺の手元にあるけど、基本的には再発は長い間後回しになっていた。タイミングという問題もあったし。ライブに合わせて再発出来るってのは良いタイミングだと思う。あのアルバムからも少しは演奏するし。ファーストアルバムからの曲を優先させるけどな。ファーストアルバムからは1曲を除いて全て演奏する。
その一曲とは?
「Dog Catcher」って曲だ。これはライブで演奏するって目的で作られた曲でもないんだ。実際のところ、演奏したことがあるかどうかすらもわからない曲だ。一番実験的な曲だよ。自分でもリフがどんなんだかよくわかってなくてね。それに、The Melvinsのバズが余計な事をやりやがったんだよ。それですっかりおかしくなっちまった。だから、ライブでプレイするような代物じゃないんだ。
Goatsnakeは完全に解散したわけではなかったので、再結成もあるだろうなと考えることはありましたか?
どうだろうな。今はライブを通して良い時間を過ごせたってところだからな。テスト期間みたいなもんさ。「オーケー。事態がどう動くか見てみよう。それから決めようぜ」。って感じでね。8月の西海岸でやる何回かのライブで様子を見るよ。もし良いオファーがあって他のメンバーとの予定がちゃんと会えば、可能性はある。わからないが。あいつらと一緒に曲作りをしたいし、レコーディングだってしたいけど。何せペースがとんでもなく遅いんだ(笑)。皆、抱えているもんがたくさんあるからな。
GoatsnakeとSaint Vitusのワールドツアーは今ところ予定されてはいないのですか?
ノー。(笑)良いアイデアだけどな。
あなたがガイと活動を開始したとき、ワルターとユルゲンが(Goatsnake再結成に対して)アプローチをしてきたと言っていましたね。彼らとプレイすることでかなりソリッドなサウンドになると思うのですが。
やるならオリジナルメンバーでやりたかった。全員といまだ友達ではあるけど。別のドラマーを試すってことが必ずしも理に適っているとは限らない。ベースに関しては、ガイと俺はThorr’s Hammerで一緒にプレイをしていたということが、一緒にプレイすることへのきっかけになった。だから、これは理に適っている。まぁいろんなベースプレイヤーとやってきたよ。KyussやThe Obsessedのスコット・リーダー、Troubleのロン・ホルズナー 、彼はFlower of Diseaseのレコーディングとその後1年くらいはライブでも弾いていた。あと、Burning Witchでも弾いていたスチュワート・ダークイースト。たくさんのベースプレイヤーだ。だが、俺にとって最初のメンバーとまた一緒にやるってことは大事なことだよ。とくにセットリストはファーストアルバム中心になるから。
あなたの別プロジェクト、Ascendの楽曲には「構成」が存在していましたね。
「反応」、もしくは「結果」。そんなところさ。特定の人間と長い間一緒にプレイをしていると、本気で違った事を求めるようになるもんだよAscendのもう一人のメンバー、ジェントリーと俺は80年代の後半から一緒にプレイしていたんだ。Iceburnにいた彼と、俺が以前いたバンドEngine Kidはいつも一緒にツアーをしていた。だから、スプリットも作ったし、親友でもあったし、たくさんの同じ音楽に夢中になっていたし、プレイヤーとしてのアプローチの仕方も同じ方向を向いていた。それに長い間交流も続いていた。だから俺は彼と何かしら一緒にやりたかった。そういうわけで、このプロジェクトをスタートさせた。(笑)このプロジェクトにはドラムも存在しているが、ドラマーってのはマジで俺に刺激を与えてくれるよ。おかげでグルーブに合わせてプレイすることにすっかり夢中だ。リズムやグルーブに合わせてプレイすることが本当に好きなんだ。Sunn O)))ではそういう機会はあまりないからな。何せドラマーがいないし、サウンドの明確な方向性もないし(笑)。このプロジェクトは実現して本当に嬉しかった。それに、そうだ、AscendのVogって曲は実はGoatsnakeで使う予定だった曲なんだぜ。お蔵入りになってしまっていたんだよ。
Ascend名義で何か別のアルバムを出す予定はありますか?
すでに録音を済ませてある楽曲はあるからな。その時のセッションも凄く良かった。その時のセッションで作られた曲の中で、Desert Cryって曲は日本盤とレコード盤に収録された。楽曲はまだ3、4曲残っている。作業を進める事自体好きだし、残りもリリースできたら、とは思う。本当に良い曲なんだぜ。(セッションは)俺とジェントリー、それとドラマーはEagle Twinのタイラー・スミスだ。だからEagle Twinnのヴァイブが流れている。(笑)マジでね。あとスティーブ・ムーア。彼はSunn O)))やEarthでもプレイしていた。トロンボーンやアナログシンセを弾くんだ。すげぇよ。また一緒にやりたいね。
Goatsnakeの為に新曲のアイデアを温めていたりもしていたのですか?
ノー。Goatsnakeは今回のライブの為だけにやったんだ。ちょっとしたリフのアイデアなんかはそこらじゅうにあるけど。だが、他のメンバーとセッションしてみる機会が今までなかった。まぁ俺にしろ他のヤツにしろ、とにかくとてつもなく忙しいってだけで実際集まってみたら、「よし、次のライブのためにこのセットリストでプレイして、作曲にも集中しようじゃないか」ってなっているかもしれないが(笑)
Borisと一緒にNYのATPフェスティバルに出演しているよ。Altarを一緒に演奏している。その他は何もない。去年と今年の初めはかなり忙しくしていたからな。ツアーの予定を6つも入れるような生活だった。おかしな考えでツアーをしていたもんだよ。その時はそれが良さそうに見えたんだが、最後には悪夢になっちまったんだ。2週間ツアーに出て、2週間休みを取る。そしてまたそれを繰り返す。それが皆の考えるベストなツアーの方法だと思い込んでいた。ツアーから帰ってきて、元の生活を取り戻すってのは難しいことだよ。元の生活を取り戻す前に次のツアーの準備に追われるし。それの繰り返しだった。とにかく、レーベルの運営も含めてたくさんの作業に追われていた。良い方法ではなかったんだ。けどこれは言っとかなくてはならない。ライブは最高だった。音楽も本当に強力だし、それをプレイすることも本当に楽しめた。今年もすでに1月と、2月の頭ににヨーロッパでツアーをやったよ。だいたい20回くらい。それとアルバムがリリースされた5月から今年の2月の頭まで、たくさんの作業をこなしていた。今年は何枚かのアルバムが発売されると思う。もしかしたら、最近のライブからまとめて選曲したライブアルバムになるかもしれない。レコード盤限定でね。(※JJ Koczanに問い合わせたところ、「Sunn O))) - (初心) GrimmRobes Live 101008 (Cass)」ではない。Sunn O)))は限定ものを出す事が非常に多いバンドなので、おそらくはその中のどれかだろう。とのこと)。あと、00Voidを再発するというアイデアもある。長い間、廃盤になっていたしな。数は少ないがちょっとしたイベントはそこいらにあるよ。ああ、あとATPもだ。
今年は休みをとる予定だったはずが、3枚も4枚もアルバムをリリースしたり、フェスティバルでプレイする予定がありますね。休みが取れそうで良かったです(笑)。
そうだな(笑)。休み無しだよ。今もGoatsnakeの西海岸で行われる8月のライブの準備のまっただ中だ。それと、何日かはSouthern Lordのリリースの為に西海岸を行ったり来たりだ。いつも通りだよ。……休めないな(笑)。SUNN O)))は俺とステファンにとって一番に集中するべきバンドだった。でも今は、「よし、ちょっと後ろに下がってみよう。で、他の物事も見て、取り組んでみようぜ。それからまた集まって、一緒にやろう」って感じだ。「Monoliths&Dimensions」制作の時は、とんでもない仕事の量だった。たくさんの労力、時間、金、その他も全て費やして良い結果を出そうと必死になったアルバムだ。そしてその「Monoliths&Dimensions」を出すという事は俺たちにとって大きな成果だったし、誇りでもある。だから、今までやってきたことよりも下のレベルで次のアルバムは作るような真似はしたくない。少しだけハードルを高いところに設定するようにしているんだ。どこに飛んでいくかはわからないが。ま、手元にはリリースされていないクールな曲がたくさんあるんでね。それをどうしてやろうかとも考えているよ。
特別なアルバムになりそうですね。新作ではみなさん本当にキツかったようですし。
ああ。深く掘り下げてから取りかかった作品だからな。そうする必要があった。本当に面白い経験だった。アルバム制作に取りかかると、多くの場合はそれがどういう出来になるかが見えてくる。終わり方とか最後の方とかね。トンネルの出口の光が見えるモンなんだ。だが、「Monoliths&Dimensions」に関してはそれがなかった(笑)。「うーん、参った。これは凄い。とんでもないモンを作り始めちまったぞ。かなり凄いことになりそうだ」、ってね。実際途方もない時間がかかった。焦って取り組むようなヤツじゃなかったからな。スケジュールも決めなかった。プレッシャーを受けたくないし、それで積み重ねてきたことが台無しになるのもごめんだからだ。そうしたこともあって、今回のアルバムはベストな1枚になったというわけだ。過去の辛い経験から学んだんだよ。過激なレッスンだったというわけだ(笑)。この作業を経て、自分は我慢強いタイプ人間なんだなということに気付いたね。もの凄く、というわけではないが。とにかく辛かった。ステファンとはしょっちゅうとジョークを飛ばしあっているよ。特に上の階にレコードを詰めた箱を持って行かないときなんかに言うんだが、「毎日、芸術のために苦労しなくては」って。毎日、「Monoliths&Dimensions」のために苦労しなくちゃならないんだ(笑)。それだけの価値があることだが。俺にとっては「Monoliths&Dimensions」が一番達成感にあるアルバムだ。音楽的にね。いや、これまでにやってきた事全ての中でかな。間違いなく誇れる1枚だよ。
Sunn O))) Myspace
http://www.myspace.com/flightofthebehemoth
Goatsnake Myspace
http://www.myspace.com/goatsnakesouthernlord
Thorr’s Hammer myspace
http://www.myspace.com/goatsnakesouthernlord
Engine kid myspace
http://www.myspace.com/enginekidrock
Stephen O’malley myspace
http://www.myspace.com/stephenomalley
Ideologic official site
http://www.ideologic.org/
Southern Lord records official site
http://www.southernlord.com/
The Obelisk official site
http://theobelisk.net/obelisk/
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メタル、ドゥーム、スラッジコア、インダストリアル、ドローン、アンビエント。ジャンルを問わずプロジェクトを立ち上げ、我が物顔で轟音を撒き散らす。雑食性は非常に高い。悪食ですらある。しかし、フェイド・ケイナーの頭の中に広がっている世界はあくまでもノイズのみである。それは、元スワンズのジャーボー宛てに、彼女の声にノイズをまぶした音源を送りつけてしまった事実を見れば明らかだ。15歳の頃、幻覚剤にハマり、4トラックMTRを片手にノイズワールドの深淵を覗いた。その時の原体験が、その後の人生に大きく影響を与えてしまったのだろう。(E-mailインタビュー)
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自己紹介をお願いいたします。
名前はフェイド・ケイナー。生まれはドイツのランゲンで今はNYのブルックリンに住んでいる。南フロリダでインダストリアル系、ドゥーム系、ダークウェーブ系にもまれてバンド活動をしていた。現在活動中のバンドは、バティラス、インスウォーム、スタティックブルーム、それとラブ・イズ・ナッシングだ。以前組んでいたバンドは、スティル・ライフ・ディケイってやつ。あと、ジャーボーのバンドのライブメンバーでもある。リミックスもたくさん手掛けている。
コラボレーションについて教えてください。
ラブ・イズ・ナッシングとNTTとインスウォームの曲でリー・バルトウとコラボレートしていた。
どういった経緯があってジャーボーのバンドのライブメンバーになったのですか?
俺が以前組んでたバンド「スティル・ライフ・ディケイ」のアルバムをジャーボーに送ったんだ。そこからメールのやりとりをするようになった。そのやりとりの中で、彼女の声にノイズを被せたやつを送ったりしてみてね。それで1年たった頃か。ライブでプレイしてくれってジャーボーに頼まれた。
あなたが関わっているプロジェクトは、どのようにして発展していったのですか?
インスウォームは当初、きっちりとしたバンド形態だったが、今は人数が減り2人だけになった。2人と数多くのエレクトロニクスと周りにある素晴らしい素材。バティラスは、俺が入る前はインストバンドだった。
中心となるテーマは何ですか?
スピリチュアル、虚無、中毒、愛、厭世、希望、喪失。
どんな音楽を聴いて育ったのですか? また、誰からの影響が強いですか?
10代の頃はブラック・サバス、エントゥームド、ミニストリー、スキニー・パピー、ティアー・ガーデン、ニューロシスにハマッてた。スキニー・パピー、コイル、ノイバウテンから影響を受けたよ。
今よく聴いている音楽はなんですか? それと最近見たライブで良かったのは何でしょうか?
最近はラーカー・オブ・カリス、ヨブ、ウォーベンハンドばかりだったな。ライブは、アイ・ヘイトゴッド、ロードバーンフェスティバル全部、ヨブ、ゴート・スネーク、それとカレザが良かった。
ライブでのパフォーマンスは構成されたものなのですか?
バンドではそうだがスタティックブルームではノー。
そもそもハーシュノイズやアンビエントミュージックを作るようになったきっかけは何でしょうか?
幻覚剤に夢中だったってのと、4トラックMTRを持っていたから、ってとこだな。15歳の時だ。録音して、エフェクターをかまして、ドラムを加えて、可能な限りぶっとんだ音楽を作ろうとしていたもんだよ。単なる自己満足だけど。
作曲のプロセスを簡単に説明して頂けますか? 慎重に作曲するタイプですか? それともぼんやりとした中で作られていくのですか?
最初は何も考えずに取り掛かる。で、創造力を働かせる。作曲方法は「どちらも」、だ。どうサウンドを料理するか? については多くのアイデアがあるしな。ま、ベストなやり方は「アクシデント」さ。そして、パッと作る。
新しいサウンドや音楽との出会いをどこで求めていますか?
音楽をやることと、アートの鑑賞によって。
レコーディングする場所は?
自宅にスタジオがあるからそこで。あとはベッドルーム。バンドメンバーとレコーディングをする時はちゃんとしたスタジオを使う。
使用機材について教えてください。その中でも特に使用頻度の高い機材は何でしょうか?
たくさんの機材を使っている。好んで使うシンセはWaldorf microwave XT。スタンド・アローンで動かせる機材が好きだ。シンセ、エフェクター、ドラムマシンなんかだな。曲の中でそれらを動かして試してみるというのはよくやる。で、出来上がったサンプルをPC上でさらにいじる。よく使う機材はというと、サウンドをより歪ませ、よりぶっ壊せるやつだな。
お気に入りのディストーションやディレイのエフェクターはありますか?
ジキル&ハイドのオーヴァードライブとディストーションは凄く気に入っている。ま、良ければ何だっていいさ。というか、ピークオーバーしてノイズを起こすのが好きなんだよ。
他に何か楽器を弾くことはあるのですか?
ドラムを叩く。若い頃はバンドでドラムをプレイしていたよ。(※アセンション・オブ・ザ・ウォッチャーズで、ライブメンバーとしてドラムを叩いていた)。
ライブはどこでやってるのですか? あと、気に入っているライブハウスはありますか?
アメリカ中でやっている。あとヨーロッパと日本。気に入っている会場は……、良いPAと、「ちゃんとわかっている」スタッフ、それとマシなオーディエンスが揃っていたらどこでも良い。
最悪な出来事と、最高の出来事を教えてください。
最悪な出来事はいくつかある。ズボンが破けたままライブをやっていたことがあってね。しかもその時パンツを履いてなかった。それでドラムの後ろに引っ込んで、テープで直したんだ。それと、フランスのマルセイユでジャーボーとライブをやっている時、ステージがぶっ壊れて落下したこともあったよ。最高の出来事は、去年フランスのヘルフェストで1万人の前でライブをやったことだな。今年はロードバーンフェスティバルに出演するよ。素晴らしいバンドたちと同じステージに立てる。
他のライブやイベントに関わったりはしていますか?
「ロンチ・ムーブメント」ってモダン・ダンス会社のために曲を作っている。ここでチェックできる。ダンサーと一緒にライブをやったりもしている。
フェイド・ケイナーの一日を教えてください。
コーヒーを飲み、瞑想をする。それからは家で音楽を作るか、仕事場に行くかだな。仕事はフリーランサーとしてたくさん抱えている。オーディオ・エンジニアにプロダクションスタッフ、後はステージセットを作ったり。その後はバイクに乗ってスタジオへ行き、バンドとリハーサルをやる。あと夜に絵を描くこともある。
趣味や最近読んだ本なんかについて教えてください。
趣味は音楽一辺倒だよ。最近読んだ本はエックハルト・トールのスティルネス・スピークス。テレビはネットフリックスでサーティ・ロックを見てたよ。
家族はあなたのやっていることに対してどう考えていますか?
家族はいつも俺を助けてくれるよ。……あぁ、確かに以前、お袋はメタルのTシャツを着てライブをやる俺を見て困惑していたな。
好きな食べ物や飲み物を教えてください。あと、今日は何を食べました?
グァテマラで食った、マカダミアナッツクラストとトマトとマヒマヒを使った魚料理はうまかった。……もし1週間同じものを食い続けるとしたら寿司になるが。好きな飲み物はコーヒー。今日食ったのはオートミールとフルーツ。晩飯はペスト入りのパスタを食べる。
今後のライブ、アルバム、それとプロジェクトの予定を教えてください。
バティラスのニューアルバム「ファーニス」を完成させたところだ。プロデューサーはサンフォード・パーカーだ。リリースのためにレーベルを探しているところさ。ニューヨークのライブハウス、ケーキショップでライブをやる予定だ。
音楽、ノイズ、アート、それらをこれから始める人たちにアドバイスをお願いします。
何かを生み出すという行為に正解も間違いもない。いいからやれ。
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アゴラフォビック・ノーズブリード(以下ANb)のディスコグラフィーを見ると、17年の歴史を持ちながらも、正式なスタジオアルバムはたったの4枚しかない。しかもきちんとしたフルアルバムは「フローズン・コープス・スタッフドウィズドープ」と「アゴラポカリプス」の2枚だけだ。しかし、これは表向きの話である。実はこうしている間にもあらゆるバンドと共にスプリットアルバムを量産し続けている。この、ゲリラ的でわかりにくいANbの活動内容は、ジェイ・ランドールの生き方にも通じている。ボーカルを努めつつ、様々なプロジェクトでノイズサウンドをクリエイトする。そして自らのレーベル「グラインドコア・カラオケ」を主宰し、スケーターのために映像も制作する。さらに真偽の程は定かではないが、Twitterのプロフィールにはタトゥーショップのオーナー、売春婦の斡旋とも書いてある。(後日、ANbのメンバーであるキャットに確認したところ、タトゥーとピアスの店は経営しているが、売春婦の斡旋は単なるジョークとの事)。彼は今この瞬間、何を考え、何をしているのだろうか。原文のインタビューでは、インターネットと音楽の可能性にも言及しているが、その紹介はまたの機会に譲るとして、今回は現在の音楽活動についての話の翻訳のみとした。(E-mailインタビュー)
※著作権について:記事を取り扱っているサイト「Metal Sucks」から、翻訳記事の掲載と、画像の使用の許可を頂いて紹介しております。
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今は何の作業に取り組んでいるのでしょうか? デスパイズ・ユー、エージェンツ・オブ・サタン、ラック・オブ・インタレスト、それとスローンズとはスプリットアルバムを制作しましたね。
ANbの最新作はタンククライムスからリリースされるA.N.Sとのスプリットになる。ANbもA.N.Sもボストンの伝説のバンド、ギャング・グリーンのカヴァーをやっている。この映像はタンククライムスのために作ったプロモ映像だ。元々はANSとクロスエグザミネーションのやつでそれをリミックスした。まぁみてくれ。
最近は映像の方に力を入れていたよ。スケータービデオやその他いろいろのね。「ミュージックビデオ」ってやつには興味がないが。あと、バスタード・ノイズのサイトでアネックス・ワンってブログをやっていてさ、そこには俺が作ったたくさんの映像がある。ANbの新しいウェブサイトを作りたくてね。そのためにやっている。あとは、ノイズイアーの新作でアナログノイズを収録した。15分ある。リラプスからリリースされているよ。ビナムってバンドにいるピートってダチがブツブツしゃべってる内容だ。すげーいいよ。
デスパイズ・ユーとのスプリットについて教えてください。いつ取りかかったのですか? ANb側はどのようにサウンドを仕上げましたか? 一緒にライブをやったりはするのでしょうか?
あいにく、俺たちがこのアルバム制作に取りかかり始めたのは、アゴラポカリプスの制作の前なんでね。ライブは無いな。仕上げるのにはずいぶんと時間がかかった。なんというかまとまりがなくて、出来上がった曲も当初求めていたものとは大分違ったサウンドだった。しばらくの間、作った曲を聴いてたんだが、洗練されてなくてまるでダメだった。なんつーかスレイヤーの「アンディスピューテッド・アティテュード」みたいでね。平凡なパンク/ハードコアってやつさ。けど、より磨きをかけてアゴラポカリプスみたいな仕上がりになった。キャットとリッチのボーカル、それに強烈なギターソロ。マジでキ○ガイだ、あれは! スコットはこの結果にすげー満足しているよ。
デスパイズ・ユー側は、ここ10年の間に作曲、録音されたハードコアの曲の中でも間違いなく重要な出来と言える。数ヶ月前に曲をもらって以来、毎日デスパイズ・ユー側の半分は聴いている。すっかり虜だよ。
ジョー・ロドリゲスのギャング・ライフ・イン・イーストLAって写真集にあったやつだよ。走行中の車から銃で撃ち殺された直後の写真。1993年頃のボイルハイツでの出来事だ。(デスパイズ・ユーの)クリス・エルダーと俺は、このスプリットアルバムがあらゆる点においてアーバン・ハードコアとなることを望んで作った。あいにくANbのサウンドは、いつもとはかけ離れちまったものになっているけど。歌詞は相変わらずだけどな。
アゴラポカリプスはビックリするくらい聞きやすい出来に仕上がっていますね過去のANbの売りでもあった異常なまでの混乱ぶりとは正反対です。今回のアルバムでどんな変化をもたらしたのでしょうか?これからは、丁寧で、落ち着いていて、スローダウンしたANbを期待するべきでしょうか? それとも今回はたまたまそういった出来だったのでしょうか?
アゴラポカリプスに関しては、俺は歌詞と、プロプロダクションとポストプロダクションにしか関わっていないんだ。マジでね。全体的にレトロなスラッシュになっちまったってことはわかってるさ。ま、スラッシュの次の世代の音楽ってやつを模索したかったんだよ。アパートメント213とのスプリットでは、パワーバイオレンスを超えたサウンドに仕上がっているけどな。それと、誰であろうと俺たちがやることを予測する事が出来るとは思えないね。俺らは好き勝手にやっているだけだし。
なぜANbはドラマーを起用せずにドラムマシンを使い続けているのでしょうか?
「リハーサル」ってやつにイラつくからだ。最悪だよ。それに良いドラマーってのは6個もバンドを抱えていたりしているし。あと、「バンド」、なんて誤解を与えるようなことをしたくない。よりヒップホップ的なアプローチってやつだな。このやり方を気に入っているんだ。
今回のアルバム(と、他のアルバム)で、歌詞は本当にバカげていてめちゃくちゃですね。たくさんの暴力と、性的イメージ。あなたはどのタイプのポルノが好みなんですか? お気に入りのサイトやインスピレーションの源となっているサイトを教えてください。
ポルノに興味なんかないね。女とヤるのが好きなんだ。もし自分でオナニーをするとしても、女と一緒にやるか、女の前でやるかだな。俺のパソコンにはそういった類のものはない。
もうこの質問に答えるのはうんざりだと思いますが、聞いておかなくてはならないです。ANbは近々ライブをやる予定はあるのですか? もし、やるのであればいつでしょうか? もしやらないのであれば、なぜでしょうか?
俺は「パフォーマンスアーティスト」ってやつじゃない。ステージで怒りを表現することなんて出来ないし、敵意をむき出しにするような態度もとれない。芝居じみたことをするような人間じゃないんだ、俺は。バンドの他のメンバーがやりたいっていうなら勝手にやればいいさ。マジでどうでもいいことだ。
スコット・ハルとの今後の予定について教えてください。
スコットと俺はブラストや、ブラック・フラッグといったクラシックなカリ・パンク・ハードコアをやりたいって考えていてね。けど、リッチもキャットもそっち系じゃない。リッチは完璧に80年代オカマってやつだし、キャットはドゥーム系だ。それで、スコットはANbのそれぞれのメンバーと仕事をして、それをANbの新曲としてリリースするってアイデアを出したんだ。俺は全部に関わっていたさ。スコットとマジで仕事がしたいから。ホンキー・リダクション以来ヤツとは一緒に出来てなかったし。あと、リッチは俺と距離を置いているだろうね。俺とは向かっている方向が違っているし。ま、お互い違った世界に住む人間なんだろう。
最後の質問です。アポカリプティック(不吉)なメッセージをお願いいたします。
「思い当たるところがあれば、誰かのケツを蹴り上げろ(笑)」。もうたくさん喋ったからいいや。
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2006年、ギタリストのロブ・ムーア、ドラマーのアーロン・ディールとの3人でサロメを結成した。その後2007年には、アゴラフォビック・ノーズブリード(以下ANb)/ピッグ・デストロイヤーのスコット・ハルに見初められANbに加入。現在ではANbで歌うかたわら、バティラスでゲストボーカルとしてライブで歌うこともある。さらに、新たなプロジェクトも考えているという。今後のNYのアンダーグラウンドシーンにおいて重要な存在になっていくことは間違いない。しかも女性だ。画像を見てのとおり、いわゆるメタル姉ちゃん的な、“いかにも”なルックスではない。あくまでも自然体で気取ったところが全く無いその姿は、まさに“Girl Next Door”である。ステージ上では凄まじいグロウルを吐き出しつつ、普段はヨガのインストラクターとしても活躍する。そんな両極端なライフスタイルもまた、面白い。(E-mailインタビュー)
※著作権について:記事を作った本人ロス・ナーリーから、翻訳記事の掲載と、画像の使用の許可を頂いて紹介しております。
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名前はキャット・キャッツ。ANbで歌っている。つい最近までサロメでも歌っていた。スクリームするスタイルで歌い始めたのは15歳の時からで、地元でデス・メタルバンドを組んでた友達がいて誘ってくれた。その時の体験は私に大きく影響を与えたし、歌うって事が自分にとって必要なことなんだなって感じた。
ANbやサロメとはどのようにして組むことになったのですか?
(ANbに関しては)スコットが私のデモをJ.R.Hayesから受け取ったから。彼とは、彼がまだヒッシング・クワイアにいる頃に出会った。スコットは私の声を気に入ってくれて、ゲストボーカルとしてピッグ・デストロイヤーのテリファイヤーのロストコースって曲で歌ってみないか? 言ってくれたの。で、レコーディングが終わったあとに、スコットにANbで歌ってみるのはどう? って打診を受けた。私ももしそうだったら凄いことだなって思ってた。ANbのアルバムは何枚か聴いたことがあって、とにかく強烈な音楽って感じだったし、完全に圧倒されてたから。けどバンドに加入するのはそれから数年してからで、スコットがクロムとのスプリットのために曲作りを始めた時。レコーディングの間はとにかく緊張をしていた。でも、スコットは私の仕事に感心したみたいだったわ。それで、「ああ、これで物事は動き出したな」って。2007年の誕生日に正式メンバーとしての誘いを受けた。
サロメが結成されたのは2006年の事。約1年間、ドゥームバンドを組むためにメンバーを探していて。たくさんの人とジャムったけど、手応えを感じることが無かった。けど幸運なことに、スリーフェイセズ・オブ・イヴってバンドのトニーって奴が、ドラマーのアーロン・ディールと引き合わせてくれた。アーロンはギタリストのロブ・ムーアを引き入れた。で、三人でジャムった瞬間にこれだ! って。あの日は私の人生の中でもベストの瞬間の1つだった。ついに見つけた! って思ったし、音楽をもっと愛するようにもなった。だから、サロメが解散することになった事に対してすごく混乱している。
あなたに影響を与えたバンドを教えてください。
ピッグ・デストロイヤーとヨブ。どちらのバンドも私のヴォーカルに影響を与えた。その2つのバンドにはとてつもない何かがある。とても力強いし、挑発的だし。私にとって、ピッグ・デストロイヤーを聴くことはとてもカタルシスを感じさせる。で、ヨブを聴くことはスピリチュアルな体験ってところかな。
サロメとANbの他にも他のバンドに所属していたことはあったのですか?
ええ。名前も覚えていないけど。歌うことを初めて以来、たくさんのメタルバンドやハードコアバンドで活動していた。17歳の頃はゴス・ロックバンドで歌うことだってあった。
ミュージシャンとしての活動を開始した時と、今を比べてみて、あなたは同じように狂気じみたパフォーマンスをしていますか?
常に狂気はある。けど、その質は若い頃と今とでは違っている。10代の頃、私の持つ狂気は緊張感から来ていたと思う。今はステージに立つことに緊張感を感じることは無いかな。狂気は演奏と観客のエネルギーから生み出されている。
歌詞を書く時は、何からインスピレーションを得ているのか教えて頂けますか?
ヨガのインストラクターとして働いてもいるので、そういったスピリチュアルな面からのインスピレーションが源になってきている。時間をかけて、書く内容が個人的なものから、精神的なものや哲学的なものに変化した。自分の小さな体験から何かを感じるって事がそれほど重要な事だとは思えなくなって。それよりも、もっともっとスケールの大きな事について書きたいの。
自分の経験から言えることは、ツアーの良い点って、ほぼ毎晩ライブが出来るって事と、友達とぶらぶら出来るって事かな。それに新しい出会いもあるし。そんなにたくさんのツアーをやってきたわけじゃないけどね。悪い点は、睡眠時間がしっかりととれなくなること。あと、普段通りの健康な食生活ってわけにもいかなくなる。それと、私は酒も薬もやらない。好きじゃないから。慣れてはいるけどね。
ここ数年、女性がメタルバンドのボーカリストとしてステージに立つことに様々な議論が交わされています。女性がメタルバンドのメンバーとしてステージに上がることや、ネガティブでステレオタイプな意見を持つ人たちに対するあなたの意見はどうですか?
もっとたくさんの女性がメタルバンドで歌うべき。私は女性の人権というものに対して凄くこだわっている。けど、強い偏見はまだまだ根強く残っているし、そのせいで夢を追いかけたり、成功したりできない人たちはいる。それはもの凄くガッカリな事ね。過去の理不尽な考え方からは少しずつだけどマシにはなってきているし、以前よりは当たり前に多様性が求められているとは思うけど。より多くの黒人やアジアの人や他の人たちがメタルシーンと関わりを持つのを私は見たい。いずれメタルがもっと多様性に富んだシーンになれば、と期待している。
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2007 年、デンマークのバンド、エフタークラングがアメリカのポートランドに住む一人の若者を世界へと連れ出した。それまでは、車に楽器の山を積み込み、地元のバンドをセッションミュージシャンとして渡り歩いていた生活だった。その若者、ピーター・ブロデリックは、自分はただラッキーなだけだと謙遜する。しかし、10代の頃にはすでにセッションミュージシャンとして活動しており、弱冠二十歳で世界的に名を知られるようになった状況は決してラッキーなだけでは辿り着けないだろう。しかも、きちんとレッスンを受けた経験があるのはヴァイオリンだけだという。2010頃からは、エフタークラングとの活動、ソロ活動のみならず、他のアーティストとのコラボレートも目立つようになってきた。(E-mailインタビュー)
※著作権について:記事を作った本人Tobias Fischerから、翻訳記事の掲載と、画像の使用の許可を頂いて紹介しております。
(笑)。良い質問だ! ただラッキーだっただけだよ。友達の友達にレコーディングスタジオを所有している人がいたんだ。それと、僕はたいした弾けるわけでもないけど楽器を山ほど持っている。それでピーターはたくさんの楽器を弾くことができて、時間もギャラも気にしないでレコーディングする奴だって話が町中に広まったんだ。そういうわけで、俺はいろんなミュージシャンやスタジオから電話がかかってくるようになった。そんな感じさ。
あなたが音楽活動を始めたとき、ポートランドの音楽シーンはどうでしたか?
教えてあげられれば良いんだけど、僕がポートランドにいた時、あそこの音楽シーンがどうだったかはよくわからない。比較的小さめのフォークミュージシャンのグループを渡り歩いていたからね。だから当時あそこで起きた多くの出来事は知らないんだ。でもアンビエントミュージックや実験音楽に携わる人達に会うってことはほとんどなかった。それは言える。友達は皆フォークミュージシャンだったからね。
周りの人があなたにスタジオミュージシャンとしての仕事を頼むときは、いつも数種類の楽器を弾くのですか?
ポートランドでの音楽活動を振り返ると、いつも楽器の山を車に積んでいたよ。ヴァイオリン、ヴィオラ、マンドリン、バンジョー、ミュージカルソー、ラップスティールギター、そのほかにも何でも。それでスタジオに行って、彼らが望む楽器をプレイするんだ。
その経験はどうでしたか?
とても良い経験。彼らのレコ―ドでプレイをしたって事は誇りだよ。確かに自分の時間が無くなってしまうことは時々あったけど。でもそれが結果として自分の音楽をやりたいって欲求につながった。だから自分の音楽をやるチャンスを得たときは、アイデアもモチベーションもバッチリの状態だった。
もしエフタークラングからの連絡がなかったら、しばらくの間セッションミュージシャンを続けていましたか?
その可能性は高いね。エフタークラングが誘ってくれなかったら間違いなく今の自分はないだろう。彼らは僕をヨーロッパに連れ出してくれたし、ソロプレイヤーとして彼らのライブで演奏するチャンスも与えてくれた。それは本当に助けになったよ。あのままポートランドにいたとしても作曲は続けていただろうけど。けど間違いなく今以上に苦労するだろうね。インスピレーションを得ることも苦労するし、今やっているような音楽を聴くことさえも苦労するはずさ。
セッションミュージシャンとしての仕事は、あなたのオリジナル曲にどのくらいプラスになりましたか?
うーん、セッションミュージシャンとしての仕事が役に立っているかどうかはよくわからないな。楽器の演奏に対して少しは自信がついたってことは間違いなく言えるけど。セッションミュージシャンとして仕事をこなしつつ、自分の曲のためにアイデアを考え出さなければならないってのはキツイ事だよ……。楽になってはきているけどね。ゆっくりとだけど。最近は楽器や音楽によっては何も悩まずにアイデアを形にするってことだって出来るよ。徐々に自分の音楽の才能を信用できるようになってきているってことさ。
ルトガーとあなたのアプローチとでは、互いにかなりの違いがありますね。
単純に言えば、僕はメロディーやハーモニーといった、より音楽的な部分に耳を傾けていて、ルトガーは音そのものに耳を傾けているんだと思う。僕はミュージシャンで、ルトガーは” 音の彫刻家”ってところかな。ここ数年間で僕も音そのものに対して以前よりは興味を持つようになったけどね。で、僕の耳も肥えて、それがルトガーの音楽をますます豊かなものにしている。ここ何年かのルトガーの音楽が大好きなんだ。彼の作曲のプロセスや楽曲の中にはマジで想像を超えた何かがある。僕が彼に惹かれる理由はそこさ。それでいて見た目もユニークでシンプルなスタイルで、余すところなく全てを披露する。彼の活動を、全体を通して見た時、そこには惹きつけるものが何も無いなんて事は僕には考えがたいことだね。
同じ部屋で一緒に音楽を作るということは、やはり一番純粋で大事なやり方だと思えますね。
E- mail、SMS、手紙、電話、スカイプ、その他なんであれ、コミュニケーションをとるということにおいては素晴らしい方法さ。僕はそれら全てを利用しているしね。けどそれらと直接会うってことは全然違う事なんだよ。直接会って同じ時間を過ごさないと、得るものも得られなくなってしまう。物事の大小にかかわらず、あらゆる物事をね。この意見にみんなが同意してくれることを願う。相手をよく知っているなら話は別さ。おそらくは過去に一緒に過ごした時間が長いからよく知っているんだろうし。それならばどんな手段で音楽を作っても問題はないだろう。ま、僕が言いたいことは、E-mailを通して一緒に曲を作ることは良いやり方だし、価値のある行為だけど、そのやり方と同じ空間で一緒に曲を作るってやり方を単純に比較することは出来ないって事だよ。夜と昼みたいなものでさ。あと、ルトガーやEfterlangのメンバーと会ったことがある人は、誰もが口をそろえて、彼らは素晴らしくて、親切で、温かみがあるって言っていたよ。彼らと音楽を作る事って本当に素敵なことなんだよ!
Peter Broderick 公式サイト
http://www.peterbroderick.net/
Peter Broderick myspace
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Efterlang 公式サイト
http://www.efterklang.net/
Efterlang myspace
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tokafi.com
http://www.tokafi.com/
元記事の作成者
Tobias Fischer
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エレクトロニカ、ドローン、実験音楽、ポストクラシカル、そしてサントラと、様々な文脈で語られてきたフランス人アーティスト、シルヴァン・シャヴォー。基本となる音楽性は以前ここで取り上げたオラフア・アルナルズに近い。ピアノ、ギタ-、ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、電子音、そして静寂すらも用いて繊細に音楽を表現する。最近ではボーカルにも力を入れており、その声は「Singular Forms (Sometimes Repeated)」で堪能する事が出来る。一体何から影響を受け、音楽に対してどんな考えを持っているのだろうか?
サントラ制作は何度かやっているんだ。手がけてきたのは、主にフランスの映画監督セバスチャン・ベベデールの作品だよ。困難な作業さ。だけどその映画を好きになった時は、っていうかセバスチャンの映画の時は毎回そうなんだけど、それってもの凄く刺激を与えてくれるんだよね。撮影に入る前にいつもシナリオを読むんだ。そして音楽をどうしようかと話し合う。そうして彼らは撮影を始め、俺は最初のバージョンをもらう。いわゆるワーキングバーションってやつだね。そうこうしている間に、彼らは編集を開始する。その時が俺が正式に曲を作り始める時さ。映像を見ながらね。そしてデモをいくつかレコーディングして、セバスチャンに聴かせてみる。すると彼は、これは良いとかこれは嫌いとか教えてくれる。どの音楽を使用するかってのは、そこで決まる可能性が高い。そして彼が映画のテーマを全て明らかにした時、俺はスタジオに行き、映画のシーンの正確な長さぶんを仲間達とレコーディングをするんだ。
あなたの音楽を聴くとヤン・ティルセンを思い出します。音楽的にも、文化的にも、一番影響を与えたのは誰ですか?
ヤン・ティルセンとのつながりは感じられるよ。とくに、自分の初期のアルバムの何曲かの短い曲でね。彼の最初の3,4枚のアルバムが大好きだったんだ。けど、俺の音楽は彼のとは違ってるな。もっと実験的だし、もっとゆったりとしているし、彼の曲よりも静かだ。俺のここ数年での一番のヒーローは間違いなくモートン・フェルドマンとベルンハルト・ギュンターだよ。けど、俺の曲の中から彼ららしさを見出すことは出来ないと思うよ。ねぇ? 最近では好きな画家から受ける影響のほうが強いと思う。
抽象画や ミニマルアートはあなたの音楽にどのような形で影響していますか?
うーん、…わからないな。例えばさ、俺が他のミュージシャンに影響されたとする。そうだな、フェネスとか。そしたらまぁ俺の作る音楽はフェネスっぽい方向に向かうだろうね。それに対し、マーク・ロスコやフィリップ・ガストンに影響されたとする。俺の作る音楽は彼らのようにはならないはずさ。なぜなら彼らはミュージシャンではないからね。影響ってやつは、何かほかのものを生み出すんだろうと思う。自分の仕事に対する考え方とか、スタイルに関わる何かとかね。
あなたは何種類かの楽器を演奏しますね。自分を「ワンマンバンド」だと思いますか?
俺は自分自身を楽器演奏者と思うことはないだろうね。「音楽を作る人間」ってところさ。必要なときに弾くってだけだよ。大抵の場合ピアノとか、ギター(これは過去の話)とか、あと以前に比べずっとずっと力を入れているボーカルとかだけどね。けど楽器を弾くのは上手くはないよ。どの楽器も弾き方を覚えようと練習したりはしないし。ただ楽器で遊んで、シンプルなメロディーとかを作るだけださ。あと、曲が複雑すぎて演奏できないときは、他の人に演奏してもらう。それに俺は弦楽器も管楽器も演奏できないんだ。というわけで、俺はどちらかと言えばミュージシャンチームを持つ人間さ(Ensemle Nocturneの事)。
成功には運が必要だと思いますか? それとも、本当に望むものはハードワークによっ て得られると思いますか?
何をもって成功とするかによるね。俺たちが成功について話す時はいつも、レコードをど のくらい売ったのか? 自分のライブに来てくれたお客さんはどれくらいか? 音楽雑誌に自分の記事がどのくらい載っているのか? そういった話になる。まぁどうやってそういった類の成功を手に入れることが出来るのかは俺にはわからないけど。おそらく、運は成功の1つの要素としてあるかもしれないね。然るべきタイミングで、然るべき場所で、良い作品を作る事が出来るという運というやつさ。
本当に望むものを手に入れるという事に関してだけど、興味はある。けど、ハードワークが鍵になるとは思えないなぁ。ある時点においては間違いなく必要なものだけどね。まぁ俺は今でも意志こそが鍵だと思っているよ。強い憧れの気持ちが作品を生み出すんだよ。その気持ちは、人をクリエイティブな方向へと突き動かし、導き、時にはハードワークに至らせ、そしてあらゆる扉を開ける可能性があるんだ。
あなたは国際人ですか? ツアーに出ている時なんか、それを感じる時がありますか?
国際人という考えは好きだよ。地球上に国境があることが良い事とは思えないしね。けど、自分のバックグラウンドを無視することは出来ないよ。旅行をする度に、自分はつくづくフランス人なんだなって気付かされる。誇りに思うとか恥に思うとかそういった話じゃなくてね。単に、36年間俺はフランス人として生きてきたんだなってことと、そしてそれが俺のバックグラウンドだなって話としてね。まぁ英語は問題なく話せるし、スペイン語も少しは話せるけども。今はフランスを出てベルギーに住んでいるんだけど、それが嬉しくてね。しばらくの間は、物事を外側から見る機会を持つというのも良い事さ。世界を違った角度から理解する事につながるしね。過去2年間、俺は他の国々や、他の大陸をツアーしてきてね。そこでフランス人の考えがいかに衰えているのかに気付く事が出来たんだ。あと俺は1つ残念に思っている事がある。フランスの大統領は本当に最悪だってことだ。将来、左翼が彼を打ち倒すために素晴らしいリーダーを見つける事を強く望むよ。サルコジ政権で、フランスは多くを失うだろう。
Arcaや0、Onとしても活動していますね。それらのプロジェクトにかける時間はどうやって捻出しているのでしょうか?
自分の時間の大部分はソロ活動に割り当てている。Arca、On、それと0に関しては、一緒にプレイする機会がある時に、スタジオに入る。いつもスタジオセッションとして予定を組むんだ。俺はそれらのバンドで、親友らと演奏することを愛している。全部違ったスタイルさ。Arcaは他に比べてロック、もしくはポストロックに近い。今は楽曲志向だけど。0はカルテットで、実験的な要素からメロディックな楽曲までと、非常に自由なバンド。そしてOnはデュオ。抽象的なインプロってところだね。(プリペアドギターとパーカッション)
今後はどんな活動を考えていますか? それで世界ツアーを組む予定はありますか?
新しいソロアルバム制作に2年間取り組んでいてね。タイトルは「Singular Forms (Sometimes Repeated)」になるだろう。2010年の2月に、Typeよりレコードと、CDとダウンロードでの販売となる。新しいアルバムでは声が重要なパートとなる。俺の音楽人生のターニングポイントとなるはずさ。とても重要なステップだよ。とても静かで完璧なアブストラクト、テクスチュアが存在し、さらにムードもある。明確なメロディーな無しでね。けど、曲としての形にはなっている。
世界ツアーの予定は無いよ。エージェントとの契約が無いからね。まさにプロモーターの連絡を待っている状態だよ。俺のウェブサイトをチェックしてみてよ。
ヨーロッパでの、アンビエント、エレクトロニカ、そして実験音楽の発展についてどう予想していますか?
答えるのが非常に難しい質問だ。今って長く続いているムーブメントは見当たらないよね。多分、インターネットで音楽が早く広まっていくからだろう。現在、ミュージシャンが生み出した新しいアイデアはすぐに世界中全てを駆け巡り、誰もが聴く事が出来る。他のたくさんのミュージシャンもその新しいアイデアを利用する。全てはすぐに浸透するんだ。ヨーロッパだろうが、他の国だろうが他の大陸だろうがね。その地域独自のアイデンティティなんてのはもはや無い状態だよ。インターネットを通してレバノンの即興演奏者の新曲を楽しむ事も出来るし、その次の日に中国のカルテットによるパーカッション演奏を楽しむ事も可能なんだしさ。どこどこの出身なんてのは問題じゃないんだよ。間違いなく良い事だけど。ま、これからは独自性を見出すには、アイデアが鍵となるよ。コンピューターがあればみんな同じ音楽用ツールを入手出来るんだしさ。
Sylvain Chauveau Official Site
http://www.sylvainchauveau.net/
Sylvain Chauveau myspace
http://www.myspace.com/chauveau
Arca myspcade
http://www.myspace.com/arcamusique
0 myspcace
http://www.myspace.com/zeroquartet
On myspace
http://www.myspace.com/onsecondsouffle
元記事のサイト
http://audiopleasures.blogspot.com/
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Radian、Lokai、そしてMosz Records主宰と様々なフィールドで活躍するオーストリア人アーティスト、シュテファン・ネメス。2008年にネメス名義で、初めてのソロアルバム「Film」をリリースした。サウンドの1つ1つを念入りに磨き上げ、執拗に加工し、そして丁寧に並べる。その姿勢は常に一貫しており、ソロアルバムでも変わらない。このインタビューで、彼がどういった考えで、どういったやり方で音楽に関わっているのかがわかるだろう。
※著作権について:記事を作った本人Tobias Fischerから、翻訳記事の掲載と、画像の使用の許可を頂いて紹介しております。
こんにちは。調子はいかがですか? 今はどこにいるのでしょうか?
ウィーンの冬は静かだろうな。疲れている。このところ寝不足気味でね。でも気分は良いよ。
現在のスケジュールはどうなっていますか?
ダリウス・コワルスキー監督の映画「Optical Vacuum」のサントラを作っている。ステファン・マシューソンの日記と、世界中にあるウェブカメラ映像の奇妙な組み合わせといった内容でね。サントラ制作の進行状況は、第3段階といったところだ。それとは別に、LokaiのアルバムとRadianのEPを仕上げなくてはならない状況だ。RadianのEPはThrill Jockeyからリリースされるだろう。・・・あぁそれと、Moszレーベルの件もある。Kapital Band1ってバンドの「Playing by numbers」ってアルバムをリリースする予定なんだ。つまり、これから数ヶ月間は退屈する事はないということさ。
現在の音楽シーンをどうみていますか? 危機感を感じますか?
音楽シーンの何について話すかによる。もし、音楽そのものについて話すのであれば、危機感は感じないな。たくさんの種類の音楽がそこいらにあるから。あらゆるタイプの音楽が存在しているよ。俺が興味を持てるような特定の音楽は、おそらくは存在しないだろうがね。時代を反映するような特別な音楽もないな。少なくとも俺にはそうみえる。もっと自分の好みの音楽というものを掘り下げないとダメだろうね。まぁ単純な話、良い音楽と悪い音楽の比率の問題だろうけど。今は簡単に音楽を作れるし、公の場で曲を発表するのも以前と比べて簡単になってきているんでね。だからみんなはたくさんの良い曲にも、逆に興味の持てない曲にも触れる事が出来る。つまり、今の音楽シーンはますます別世界になってきていて、音楽に対する異なるアプローチが共存している状態なんだよ。だからもし君が、例えばパンクやテクノのような、他のジャンルの存在を消してしまうくらいある時期に流行した特定の音楽を探しているのであれば、おそらくは失望することになるだろうね。そういうことさ。
自分自身を伝統の1部としてみていますか? つまり音楽シーンの一部として自分自身を見ていますか?
いや、それはないな。俺が音楽を真剣に作り始めた時、ウィーンのエレクトロニカシーンは、MegoやCheap等のレーベルがあり、活気があふれていた。(今もだが)。それらが俺に影響を与えたのは間違いない。けど俺は色々な音楽を聴く。俺は他のミュージシャンの音楽に美学といったものはそれほど求めてはいなくてね。他のミュージシャンの音楽に求めているのはごくごく当たり前の役割さ。要するに俺の音楽活動に影響を与えた様々な音楽、または曲の一部分は、身近にあるあらゆる場所からきているって事なんだよ。雑多であるという事は重要な事だ。伝統の一部として、なんて事が想像出来ないくらいにね。少なくとも、ある種のルール1つに縛られる、なんてことはない。
あなたの創造性の要因は何であるとお考えですか? 何があなたをインスパイアするのでしょうか?
おっと、それは難しい質問だ。曲作りの工程がはっきりとしているわけではないので、自分のやり方についてきっちりと答えられるかどうかは甚だ疑問だな。影響というものは大抵は外から来る。たくさんね。そして必ずしも音楽とは限らない。つまり、映画であったり、通りやどこかの展覧会なんかで偶然聞こえた音であったり。ま、その部分について深く考えようとすると、どうも自分の音楽に対して盲目になってしまうよ。そう思えるね。
サウンドと構成の関係をどうみていますか?
サウンドも構成の一部みたいなものさ。個人的には、少しだけ他の要素よりも大事かもしれないと思う。
即興と、きちんと組み立てる事と、どのくらい厳しく分けているのですか?
アルバム制作においては、常に極力分けようとしている。自分としては、レコーディングの作業そのものに興味があるんだ。生演奏を録音するってやり方よりもね。生演奏を録音するという方法はあまり興味がない。レコーディングを完成させるために、大抵の場合ライブの経験が必要となってくるからだ。録音には全ての条件を満たさなくてはならないんでね。それに俺は、生演奏を録音するというやり方よりも、より長い時間をかけて曲を作るというやり方に精通しているんだよ。
音楽という枠組みの中で、「新しい」とはあなたにとってどのような意味を持ちますか?
1+1=3、もしくは成り行き任せ。つまり、今まで自分が経験したことを組み合わせれば、その結果は既成のアイデアを超える。それか、偶然の出来事によって運良く何かを発明する。「新しい」とはそういうことさ。
質の向上のためとして、映像の存在を受け入れていますか? それとも、自分の本来の目的を奪い去ってしまうものと感じますか?
映像があるせいで気が散って音楽に集中出来ないと感じる事がしょっちゅうある。逆に音楽があるせいで気が散って映像に集中出来ない事もね。まぁ他のメディアと音楽を組み合わせる事によって、すばらしい仕事を何遂げているミュージシャンがいるのは認めるが。俺もできるけど相当大変な作業だよ。俺にとって、作品へのアプローチは「最小限」でなければならない。そう思えるね。受け手のために十分な余地を残しておくべきだよ。
良いライブパフォーマンスを形成するのは何であるとお考えですか?
どんなものでも良いライブになりえるさ。そのやり方に説得力が感じられ、かつアテブリでなければ、「パフォーマンスがない」ライブも、「華やか」なライブも楽しめる。
メインストリームに属していないミュージシャンが、自分の信念を曲げずにより多くのオーディエンスを獲得するにはどうしたらいいのでしょうか?
うーん、ミュージシャンが音楽や信念を変えなくてはいけないとは思わないな。この手の音楽を聴きたがっている人は、今でもたくさんいるさ。俺はそう信じている。問題は、どうすればこの手の音楽をファンの元に届けることが出来るか? ということだ。それに、ミュージシャンは未知の体験に対してオープンにならなくてはいけない。少しは勉強の必要があるということだよ。例えば、とっつきやすいスタイルの音楽と、物議を醸す音楽を組み合わせる事は可能だろう。俺はそう思う。そして、その組み合わせた音楽をファンの元に届けるわけだが、そのためには残念だがメジャー系の音楽会社と一緒にやらないといけないんだよ。ま、メジャー系の連中はもっと思い切ってやるべきだ。賢くやれば損をすることはなにもないからね。
音楽フェスティバルのディレクターだとしたら、どんな計画を立てますか?
俺はうれしいよ。自力でフェスティバルの計画を立てるなんて立場にいなくてさ。お気に入りのバンドやアーティストの中から出演する人を選ぶなんて相当大変な事だろうね。
多くのアーティストは、最高傑作という夢を追い求めています。最高傑作の形を思い描いていますか?
ノー。正直に言うと、最高傑作というビジョンは持っていない。そして、たとえ最高傑作とやらを作ったとしても、俺がそれを認める事はないだろうね。出来るだけ仕事に対してベストを尽くそうとはしている。しかし自分の作品は、自分自身の成長や、ある特定の時期の周りの環境なんかが反映されるものだ。その反映される状況とは変化していくものだし、結果としてアウトプットも変わってくる。そうやって進んでいく事が俺にとっては興味が尽きない事なんだよ。1度だけのピークにとらわれてはいないということさ。
リンク
Thrill Jockey
http://www.thrilljockey.com/artists/?id=11190
Radian
http://www.radian.at/
http://www.myspace.com/radianvienna
Lokai myspace
http://www.myspace.com/lokai
Mosz 公式サイト
http://www.mosz.org/
tokafi.com
http://www.tokafi.com/
元記事の作成者
Tobias Fischer
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「7 Million」リリース後の4年間、メンバーのフローリアン・クメット、シュテファン・ネメス共に様々なプロジェクトを通して作品を発表してきた。そして再びタッグを組んで生まれたのが2009年にリリースされた「Transition」だ。「4年前と今の自分は当然違う」とはフローリアンのコメント。ゆえに「Transition」なのだろうか? レコーディング、ライブに対するユニークなアイデア、地元ウィーンに対する愛情などが文章から伝わってくる。これはその「Transition」がリリースされた時のインタビューだ。
※著作権について:記事を作った本人Tobias Fischerから、翻訳記事の掲載と、画像の使用の許可を頂いて紹介しております。
こんにちは。調子はいかがですか? 今はどこにいるのでしょうか?
フロリアン・クメット:調子は良いよ。家族とともに4週間の休暇を過ごしていてさ。ちょうど仕事に復帰したところ。ウィーンに戻ってきているよ。
現在、どのような予定で動いているのでしょうか?
フロリアン・クメット:Lokai に関するリリース作業の真っただ中だよ。ウェブサイト開設の準備とかね。あとライブバージョンのリリースに向けて多くの微調整を行っているところさ。より楽曲を磨く、そしてより音質を上げる、それ以上の作業だよ。それと、KMET名義の2枚目のソロアルバムを仕上げている。あと、スペインでFatima Spar&the freedomfriesといっしょにライブを何度かやっているし、the trio exklusivのアルバム制作にも取り掛かっているんだ。
「7 Million」と「Transition」には4年の間隔がありましたが、この期間中にあなたとシュテファン・ネメスはどのくらい連絡を取り合っていたのですか?
フロリアン・クメット:たくさんだよ。途切れていた時もあったけど。「7 Million」リリース後の数年間、俺たちはほんの何度かだけどライブもやったしさ。「Transition」の制作期間は確か2年間だったかな。はっきりとしたことはわからないけど。
ソロ名義のまま活動を続ける事も可能だったと思うのですが、Lokaiの新しいアルバムのために再び集結しましたね。何がそうさせたのでしょうか?
フロリアン・クメット:シュテファンと一緒に音楽活動をするのが大好きなんだ。俺にとってシュテファンと音楽活動をするってことは、他に類を見ないすばらしい曲作りの方法なんだよ。そして一方では2人ともソロ活動を続けている。俺の2枚目のソロアルバムもほぼ完成しているよ。すぐにリリース出来るように、最適なレーベルを探しているところさ。このソロは電子音楽であり、KMET名義のシンガー・ソングライターとしてのプロジェクトなんだ。俺はスタジオで、曲を書いて、レコーディング作業をやり、書いた曲も演奏して、歌も歌ってと全てをこなしている。ステージ上でも、ライブ用のサンプラーを使うだけでワンマンショーさ。
「Transition」でもってLokaiは間違いなく独自のサウンドと価値観を見いだしたと思う。これは他のプロジェクトでは得られない事さ。俺たち2人の個性は全く異なっていてね。(何人かの人たちは俺たち2人を兄弟だと思っているけど)。だからこそマジで良い結果に結びつくんだよ。ある種のサウンドや曲の構成は、 Lokaiには適していない。つまりLokaiには、その世界観を少しだけ小さく、という制限がある。その制限があるから俺にとってはやりやすいんだ。逆に、完全に自由でバラエティ豊かな音楽ってのは、俺がソロアーティストとして提供できる一面だね。
「7 Million」であなたがとったアプローチに、目新しさが無いだとか、面白みが無いだとか、そんな事は決してありませんでした。それにもかかわらず、別の方向に進む事があなたにとって重要だったのはなぜでしょうか?
フロリアン・クメット:楽曲がより構築されていてサウンドもより温かみがある。そういう方向に進みたいという願いをお互い持ったからだね。生楽器、新しいスタジオ、そしてより自由度の高いスケジュール、まさにそれらが俺たちを現在の状況に導いたのさ。今回のアルバムは、本当にたくさんのLokaiサウンドに彩られている。「Transition」は今の俺たちのサウンドで「7 Million」は4年前の俺たちのサウンド。俺にとってその2枚が全然違ったサウンドになるのは、当たり前の事だよ。俺の生活全てが4年前とはすっかり変わっているからね。だから音楽も少しは変わらないと、って思うんだ。
自然な進化とは別に、あなたはこうも言っていました。「何年にもわたる電子音や他の形態での実験を経て、正統的なやり方に取り組む必要性が出てきた」。これはなぜでしょうか?
シュテファン・ネメス:違った種類の音楽も聴かなくては、と個人的に感じてね。俺は長い間エレクトロニカに入れ込んでいた。だから、多くのエレクトロニカ系の新しいアルバムがすっかりとありきたりなものになってしまうのは、俺にとってはごくごく普通の事だった。それに、音質にこだわるってのも比較的ありふれた事だし。(勿論これは自然な進化というやつだが)。
形式張ったもの、流行、価値観と、そういったものにそれほど左右されないものを探していてね。それは例えばリズムだとか、そういう音楽の基本的な働きを改めて認識することなんだよ。そして曲の構成や、メロディーを生み出すことに対する今までと違ったやり方を曲の中で見つける事が出来た。それが今まで聴いた事が無かった音楽を発見するための冒険につながったというわけさ。ワクワクする過程だったよ。
ウィーンはくつろぎと活気があふれる町ですが、ウィーンのそういった部分は今やありきたりと言っても差し支えがありません。それでもなお、あなたたちが一息つく場所として、ウィーンという場所はなぜ重要なのでしょうか?
シュテファン・ネメス:理由はいくつかある。しかし、まちがいなく言えるのは実にゆとりのある街という事。ゆえに周りの環境に気を取られてしまう事があまり無い。ウィーンの生活水準にはゆとりがあるので、大きなプレッシャーや心配事を感じることなく気楽に働ける。そして街自体ものんびりしている。ウィーンという街が俺たちの音楽にどのくらい影響をもたらすかは、はっきりとは定義出来ないがきっとそうさ。もしほかの街でだったら、別な音楽をやっていただろう。例えば俺にとって、ベルリンという町はウィーンと比べてあまりにもせかせかしている。より多くのパーティ、より多くのコンサート、そしてより多くの生き方。おそらくベルリンじゃ心のこもった音楽は出来ない。俺には、ベルリンではこれだと感じる事は出来ないだろうね。
フロリアン・クメット:俺のスタジオは日光が差し込んでいて、広々としている。それに静だし、時折鳥のさえずりも聴く事が出来るよ。だからふさぎ込んでしまうようなことは全く無いんだ。たまたまここで生活しているだけだけどさ、俺にとっては、生活水準の高さ、家族、友人、自然、そして文化的な町並み、それらが良い形でミックスされた街だよ。
あなたがおっしゃったその環境とリラックスしたやり方でもって、同時進行でたくさんのアイデアを曲にしていったのですか? それとも、1曲1曲順序立てて進めていったのですか?
シュテファン・ネメス:両方かな…どういうわけかね。すでにライブで演奏した事がある曲が2,3あってね。そこからレコーディングを開始した。良い出発点になるだろうって思ったのさ。そこからは、同時進行というよりは1曲ずつの進行で、次から次に進んだ。少なくとも、基本となるアイデアが明確だったレベルまではね。しかしアルバムを仕上げる段階になった時、曲のほとんどはちゃんと仕上がっていない状態だった。つまり最後の2か月は、いくつかの曲を同時に作らないといけなかったというわけだ。
電子音に加えて、身近にあるたくさんの道具を使ったのですね。どうやって暖房器具でリズムを組み立てたのですか?
シュテファン・ネメス:あれは比較的簡単な事だった。俺たちがリハーサルを行う時、俺は大抵の場合暖房器具の隣に座っている。何かの拍子に暖房器具を叩いた時、ドラム缶にも似た良いサウンドがするって気付いてね。実際それは良く響く大きな金属のタンクだった。適切なドラムスティックがあればリズムを叩く事は可能さ。そういう経緯だよ。それを生で叩いてレコーディングし、あとから編集した。(俺たちはドラマーではないので)。そうして完成したんだ。それと、もう少し自然なリズムにするために単音をいくらかオーバーダビングした。
ソロや他の人との活動の経験が、今回のアルバム制作にどのくらい役に立ちましたか?
シュテファン・ネメス:納得のいく結果を出すために本当に厳しくトライするべきだ、という事をいくつかの楽曲制作から学んだ。これはつまり、自分の楽曲の中にある弱点を探し出さなくてはならないということを意味する。基本的には自分自身に対する誠実さについての話さ。楽曲の1部、もしくは楽曲自体をボツにするという行為が楽しい作業になるとは限らない。しかし納得がいかないのなら何度も何度もやり直さなくてはならない。
フロリアン・クメット:俺は前回のソロアルバムとその他のプロジェクトの活動期間中、レコーディング作業を見直し、機材を改善して、それとギター以外の楽器を覚えたよ。自分としては、他の活動で良い結果を出して、明確な考えを持ってLokaiに戻ってきたといったところかな。世の中にある独特なサウンドをオープンな気持ちで受け入れ、細かい部分と構造を堪能するのさ。
私にとって、呼吸(間)や、一音一音を正確に並べる事に強く重きを置いてい「Transition」というアルバムは、繊細といって差し支えのないアルバムです。ライブでこの雰囲気を再現するという事についてはどうお考えですか?
シュテファン・ネメス:(一音一音を)正確に並べるという事に関しては、単に訓練を重ねる事によって成し遂げられれば、と願っている。それ以外の部分についてだが、問題は確実に別なところにある。この手の音楽は、きっちりとしたパフォーマンスが可能な場所を把握しておくことがまさに重要な事なんだ。そう思えるよ。俺たちはいくつかのライブ会場はとにかくダメだって事に気付いた。特殊な雰囲気とは、空間、そして居心地の良い空気を作り出す照明の事に違いないね。ライブステージを考えてみてくれよ。オーディエンスはリラックスして座っていて気が散る事はない。彼らの意識はステージに向けられている。照明が暗転する。感覚が研ぎ澄まされる。こうした状況下ではじめてまともに動きだすんだよ。そして間違いなく言える事は、全ての場所がそうではないという事だ。
それと、たまに俺たちはウィーン出身のドラマー、ベルンハルト・ブリュアとも演奏をする。彼とのライブは、外向的なエネルギーをセット全体に与えてくれる。同じ楽曲が2つのバージョンで演奏されるのは、俺にとっては興味が尽きない事だ。これは、良いバージョンや悪いバージョンがあるという事ではない。そうではなく、その状況についての話に思えるね。つまりオーディエンスとライブの空間とミュージシャン、それら3つの関係から2つのバージョンが存在するという事さ。まぁトリオとデュオと、どちらかを選択出来る俺は幸せ者だよ。
フロリアン・クメット:ノートPCを使わないという新しいアプローチで、音の流れは実に透明になり、さらに完全にリアルタイムで進化させる事が出来るんだ。俺のギターサウンドは、シュテファンのミキシングボードを通ってから俺のプリアンプを通る。その流れの大部分が、アルバムと同じサウンドを作り出すってわけ。シュテファンのシンセに対しても時々こういった流れを組む事はある。つまり、彼はサウンドにリアルタイムに変化を加える事が出来るんだ。
このアルバムのタイトルは、全く違う方向へとつながっている道の可能性を示唆しています。お二人は、どこへ通じているとお考えですか?
シュテファン・ネメス:うーん、それについて話すにはまだ早すぎると思う。もう少ししたら、新たな疑問、そして新たな方向性として現れてくるだろう。今のところは変化そのものを楽しんでいる。この変化の先に何が待っているのかはっきりしていないがね。
フロリアン・クメット:それでいて、俺は変化の結果今の場所へと至った、というふうにも考えているよ。生楽器を使ったセットをやろうかって話をする時も時々あるんだ。電子音で作られた音楽であってもね。たぶん2本のギター、それかベースとギター、あとピアニカかな…。Lokaiとしての活動を開始した当初はクラシックギターしか使っていなかったしね。だからさ、いつかそういったライブが実現したらって考えているんだ。
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Florian Kmet 公式サイト
http://kmet.klingt.org/
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Tobias Fischer